65歳まで働く必要はなかった——Claudeに住宅ローンを詰めてもらったら、60歳リタイアが見えた話

Coast FIREは37歳で達成できる計算になっている。「いつでも辞められる」状態になる年齢だ。それなのに計画書には「65歳:完全リタイア突入」と書いてある。

ふと思った。なぜ65歳なのか。

Claudeに聞いてみたら、拍子抜けするほどシンプルな答えが返ってきた。「42歳でフルローンを組むと、完済が65歳だからです」。


65歳リタイアの正体——ローン完済待ちだった

計画書の数字を並べると構造がはっきりする。

年齢 出来事
42歳 8,500万円の戸建てをフルローン・23年で購入
42〜65歳 年支出899万(うちローン返済338万)
65歳 ローン完済 → 年支出575万に激減

65歳が「完全リタイア」になっているのは、65歳でローンが終わり、支出が324万円一気に減るからだ。裏を返せば、ローンさえなければ早く辞められる。


繰り上げ返済すべきか——Claudeに計算させた

「じゃあ早めに繰り上げ返済すればいいのでは」と思い、Claudeに聞いた。

筆者のプロンプト:

住宅ローン金利1%・住宅ローン控除0.7%(13年)の条件で、
繰り上げ返済と投資継続のどちらが有利か計算してください。

Claudeの返答(要約):

2つの期間で分けて考える必要があります。

控除期間中(42〜55歳):ローン実質金利は1.0%-0.7%=0.3%です。投資利回り5%との差は4.7%。繰り上げ返済より投資継続が明確に有利です。

控除終了後(55〜65歳):実質金利は1.0%に戻りますが、投資利回り5%との差は4.0%。依然として投資継続が有利です。

控除期間中は「お金をもらいながらローンを維持している」状態に近い。途中での繰り上げ返済は損だと判明した。

期間 ローン実質コスト 投資利回り 投資の優位性
42〜55歳(控除あり) 0.3% 5% +4.7%差
55〜65歳(控除なし) 1.0% 5% +4.0%差

結論:42〜60歳は一切繰り上げ返済せず、投資継続一択。


ではいつ完全リタイアできるか——3パターンで比較した

繰り上げ返済しないなら、完全リタイアのタイミングは「ローンを残したまま辞めるか、残高が減ってから一括完済するか」の問題になる。

ただし「ローンを抱えたまま完全リタイア」には心理的抵抗がある。そこで「退職時に残高を一括完済する」前提で3パターンを試算した。

前提:フリーコンサルで年収600万を想定

リタイア年齢 退職時ローン残高 65歳時総資産 95歳時残存
55歳 4,000万(一括完済) 約6,450万 約2,600万(際どい)
60歳 2,000万(一括完済) 約1億300万 約1.5億
65歳(現計画) 0万(自然完済) 約2億2,000万 約3億超

55歳は「枯渇しないがギリギリ」。65歳は「余裕はあるが10年多く働く」。60歳がちょうどいい落としどころだとわかった。


60歳リタイアのシミュレーション

60歳リタイアのキャッシュフローはこう設計した。

42〜58歳:フリーコンサル(年収600万・週3日)
58〜60歳:稼働を縮小(年収250万・週1〜2日)
60歳    :完全リタイア+ローン残高2,000万を一括完済

なぜ58歳から縮小するか。ローン残高が2,000万に近づき、完済の目処が立つタイミングだからだ。完全リタイアに向けた「助走期間」として2年設けた。

60歳以降の資産推移:

60歳:NISA+特定口座 約8,400万(ローン完済後)
  ↓ 5%運用・年601万支出
65歳:約7,400万(非iDeCo)+ iDeCo 約2,900万 = 約1億300万

70歳〜:公的年金284万 + iDeCo年金128万 = 年412万収入
      年支出575万との差:163万
      資産の利回り:約420万
      → 資産は年258万ずつ増加

65歳以降は年金とiDeCo年金が支出の約70%を賄う。資産は減らず、むしろ増え続ける。


自分でも試せるプロンプトテンプレ

同じ検証をClaudeでやってみたい人向けに、使ったプロンプトを残しておく。

以下の条件で「繰り上げ返済 vs 投資継続」を比較してください。
また、完全リタイアを前倒しできる最適な年齢も教えてください。

- 住宅購入年齢:[  ]歳
- ローン金額:[  ]万円
- ローン金利:[  ]%(変動 or 固定)
- ローン返済期間:[  ]年
- 住宅ローン控除:0.7%×13年
- 現在の投資資産:[  ]万円
- 想定投資利回り:[  ]%
- フリーランス転換後の年収:[  ]万円
- 退職時ローン残高への心理的抵抗:あり / なし

「返済か投資か」という問いより、「いつリタイアできるか」という問いで考えると、答えが変わる。


まとめ

65歳リタイアの正体は「ローン完済待ち」だった。繰り上げ返済の損得を計算すると:

  1. 住宅ローン控除期間中(42〜55歳)は実質金利0.3% ——投資継続が4.7%有利
  2. 控除終了後(55〜65歳)も金利1% vs 利回り5% ——投資継続が4.0%有利
  3. 60歳退職時に残高2,000万を一括完済が最適解

結果として65歳リタイアが60歳に前倒しになった。計画書に「65歳」と書いた理由を一度も疑っていなかった。数字を疑う習慣が、5年分の自由を取り戻した。

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