Claudeに再検証させたら、Coast FIREの「安心感」に3つの穴が見つかった話

Coast FIREの計算を作り込んだ。必要種銭も、到達年齢も、バッファも出した。「37歳で安心ライン到達」という結論に、根拠があると思っていた。

Claudeにその前提を一つずつ確認させたら、計算は合っているが前提が3か所ズレていたことがわかった。


穴①——4%ルールと3.5%ルールが混在していた

Coast FIREの計算式はシンプルだ。

老後必要資産 = 年間支出 × 25(4%ルール)
Coast種銭   = 老後必要資産 ÷ (1+利回り)^残り年数

筆者の計画では「年間支出575万 × 25 = 1.44億」で老後必要資産を出し、37歳からの28年間で複利成長させる種銭として3,720万を弾いていた。

ここでClaudeが指摘した。

筆者のプロンプト:

Coast FIREの計算前提を一つずつ確認してください。
老後必要資産:1.44億(4%ルール)、種銭:3,720万

Claudeの返答(要約):

1点、整合性の問題があります。以前の4%ルール検証で「円建て生活には3.5%が妥当」という結論を出していますが、Coast計算は4%ルールのままです。3.5%に統一すると老後必要資産は1.643億、37歳時必要種銭は4,192万になります。

以前自分が検証した結論を、Coast計算に反映し忘れていた。

ルール 老後必要資産 37歳時必要種銭
4%(旧) 1.44億 3,720万
3.5%(修正後) 1.643億 4,192万

必要種銭が+472万増える。


穴②③——現金と「投資の減り」が未考慮だった

2つ目の指摘は計算起点だった。

現金250万を種銭に含めていた。

現在の総資産1,300万(投資1,050万+現金250万)を計算の出発点にしていたが、現金250万は「30〜35歳で550万まで積み上げる生活防衛費」として計画書に位置づけていた。生活防衛費は投資に回さないお金なので、種銭には含めるべきでない。

3つ目はさらに見落としていた点だった。

現金積立期間中の投資減少が未考慮だった。

計画書には「30〜35歳:投資▲5万/月 → 現金へ」と書いてある。月5万 = 年60万が5年間、投資から現金に振り向けられる。この分が年間の積立額から減っているにもかかわらず、Coast計算ではフル投資の前提で試算していた。

3つを反映して37歳時の投資資産を再計算すると:

修正前:5,577万(現金含む・投資減少未考慮)
修正後:約4,900万(投資資産のみ・現金積立期の減少考慮)
旧計算 修正後
37歳時投資資産 5,577万 約4,900万
必要種銭(3.5%) 3,720万 4,192万
バッファ +1,857万 +708万

バッファが1,857万から708万に縮小した。


それでも37歳のCoast達成は変わらない理由

3つの穴が見つかっても、37歳でのCoast FIRE達成という結論は変わらない。

投資資産4,900万は、必要種銭4,192万を708万上回っている。37歳の時点で、追加積立ゼロでも65歳に1.643億(老後必要資産)へ到達できる計算だ。

加えて、計画では37歳以降も42歳まで積立継続する。Coast達成 = 積立停止ではなく「積立の義務から解放される」という意味なので、37〜42歳の5年分がさらなる安全マージンとして積み上がる。

もう1点。公的年金(70歳繰り下げで約284万/年)は老後必要資産の計算に含めていない。受け取れた分はすべてボーナス扱いになる。

「安心感の根拠が甘かった」というのが今回の発見だ。安心自体は正しい。ただし、その根拠の精度が3か所でズレていた。


自分でも試せるプロンプトテンプレ

Coast FIREの前提検証に使ったプロンプトを残しておく。

以下のCoast FIRE計算の前提を一つずつ確認してください。
計算に甘さや見落としがあれば指摘してください。

- 現在の年齢:[  ]歳
- 投資資産(現金除く):[  ]万円
- 現金バッファ:[  ]万円(生活防衛費として別管理)
- 年間投資額:[  ]万円
- 現金積立計画:月[  ]万円を[  ]年間積み立て中(投資から振り向け)
- Coast FIRE目標年齢:[  ]歳
- 老後年間支出:[  ]万円
- 使用しているルール:4%ルール / 3.5%ルール
- 公的年金:計算に含める / 含めない

「計算したつもり」を防ぐには、前提の確認がいる。Claudeはその確認を、見落としの指摘込みでやってくれる。


まとめ

Coast FIREの計算に3つの穴が見つかった。

  1. 4%ルールと3.5%ルールの混在——必要種銭が+472万増えた
  2. 現金を種銭に含めていた——投資資産のみで計算すべきだった
  3. 現金積立期の投資減少が未考慮——年60万×5年分が積立額から抜けていた

3つ合わせるとバッファは1,857万→708万に縮小した。ただし37歳のCoast達成という結論は変わらない。

「計算したから大丈夫」という安心感は、前提が正しい場合にだけ成立する。年に一度、Claudeに前提を確認させる習慣が、計画の精度を保つ最短ルートだと実感した。

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